季節に降る雨
ひとつの指を滑らせた紙が平坦を保つ表面のざらつき
それから捲られて、さらに前に戻る動きを、夏にとまる蝉が聴いている
木陰の輪唱、目下にまだら
陽を浴びて移動する影の背中、今日は晴れだった。
強い雨を流した風の日があった
水滴に去られたあとの木々が見ている路を歩いた
雨を恋のように激しく受けた葉々が一面に落ち
その隙間のほんのいくつかを、鳴かぬ蝉が満たしていた
歩く場所を目で探して、遅く放す足先
とまりながら、下を向き、指の感触を確かめながら、夏の凹凸を踏んだ
内で蝉は鳴く、風が表面を撫でる、長い髪が舞い上がり、顔を上げる
既存の季節を、わたし忘れてしまいそう。
喩えのように進むのならどこへ向かうのか
生活を縦に跳ぶ一つの衝動、形づく前の言葉の上、
私の天井に背伸び、もう一度灯りを消すの、浮かぶ星、
仰げばただただ光を見て、そうでない時は暗闇に慣れた。
面のある水溜りをさえぎる雲のある曇天で、
すべての場所をふたつに分ける雨と雨の跡
膨らみを帯びた内部は見えない、反響する奥の瞳
表出する感触の浸透、繰り返しの・・・
春の遠い私はくぐるharufar
壊れを挟んだ私の体の折り目を、本のように綴る言葉たち。
消え移ろう宵を見ている言葉たち。
夜は長いと重ね合わせる時間の滑り。
あなたの午前二時を覚える言葉を、あまりに自分としてしか書けない。
それすら指でしかできなくて、掌の小ささが、太陽を隈取る気がした。
それから捲られて、さらに前に戻る動きを、夏にとまる蝉が聴いている
木陰の輪唱、目下にまだら
陽を浴びて移動する影の背中、今日は晴れだった。
強い雨を流した風の日があった
水滴に去られたあとの木々が見ている路を歩いた
雨を恋のように激しく受けた葉々が一面に落ち
その隙間のほんのいくつかを、鳴かぬ蝉が満たしていた
歩く場所を目で探して、遅く放す足先
とまりながら、下を向き、指の感触を確かめながら、夏の凹凸を踏んだ
内で蝉は鳴く、風が表面を撫でる、長い髪が舞い上がり、顔を上げる
既存の季節を、わたし忘れてしまいそう。
喩えのように進むのならどこへ向かうのか
生活を縦に跳ぶ一つの衝動、形づく前の言葉の上、
私の天井に背伸び、もう一度灯りを消すの、浮かぶ星、
仰げばただただ光を見て、そうでない時は暗闇に慣れた。
面のある水溜りをさえぎる雲のある曇天で、
すべての場所をふたつに分ける雨と雨の跡
膨らみを帯びた内部は見えない、反響する奥の瞳
表出する感触の浸透、繰り返しの・・・
春の遠い私はくぐるharufar
壊れを挟んだ私の体の折り目を、本のように綴る言葉たち。
消え移ろう宵を見ている言葉たち。
夜は長いと重ね合わせる時間の滑り。
あなたの午前二時を覚える言葉を、あまりに自分としてしか書けない。
それすら指でしかできなくて、掌の小ささが、太陽を隈取る気がした。
高台にある近所の図書館の言葉
希望の輪郭を屈んで考える
ここは流れぬ湖にある家なのだろう
ドアと内部との濃淡を手で払おうとし
七月と八月の重なりのために丸いクレヨンを運び出す
液体になる太陽で、朝と昼を作る
手付かずの闇に寄り添う夜
ぐんと縮まる今日は眠りの枕
明日を跳ぶ今後に目を閉ざされる
ここから見える家々の屋根が消える場所
そこにある
寂しさの外の言葉を
表現になる前の言葉たちのかたまりを
それらの通った後の私を
年の近いきみの見たものの裏側を
抜けるような透明のような
空は無い
痛々しい色で繕う月の終わり目
書かなければ
希望のために滲み出てしまった希望を、
真っ先に湖へ溶かす世界の言葉を書かなければ
時以外に何も見えない道のような時間を手渡された
花瓶の形に成長する植物の根に水をやる
真夜中に水をせがむ私の植物
始まりは指だろうそこから
切ってでも語る「私」がある
道なりに生えた草は風
図書館の窓に映る風景と「私」の鼻先との線描
この指だけが希望を書き尽くす
ここは流れぬ湖にある家なのだろう
ドアと内部との濃淡を手で払おうとし
七月と八月の重なりのために丸いクレヨンを運び出す
液体になる太陽で、朝と昼を作る
手付かずの闇に寄り添う夜
ぐんと縮まる今日は眠りの枕
明日を跳ぶ今後に目を閉ざされる
ここから見える家々の屋根が消える場所
二階建ての図書館が見えてくる
2008-7-25 Reroute OK Nerves
そこにある
寂しさの外の言葉を
表現になる前の言葉たちのかたまりを
それらの通った後の私を
年の近いきみの見たものの裏側を
抜けるような透明のような
空は無い
痛々しい色で繕う月の終わり目
書かなければ
希望のために滲み出てしまった希望を、
真っ先に湖へ溶かす世界の言葉を書かなければ
時以外に何も見えない道のような時間を手渡された
花瓶の形に成長する植物の根に水をやる
真夜中に水をせがむ私の植物
始まりは指だろうそこから
切ってでも語る「私」がある
二階建ての図書館が見えてくる
きみにも、二階建ての図書館が見えてくる 坂のある非風景
道なりに生えた草は風
図書館の窓に映る風景と「私」の鼻先との線描
この指だけが希望を書き尽くす
足の四つの辿り、前夜。
噛む葉を数えて渡り歩く河の畔
その中に名前を付けた鳥達の揺らす枝葉がある
海のように風に吹かれる木々の隙間
瞼に挟まる音
聴こえるものを見る瞳
耳を近づける
手のひらに書き留めた水彩の絵を
コップの水滴で滲ませて
あなたの手に縁取ってみたい
地面に交じる足を
道々言葉の元にさらし
汗の下る輪郭の先に
雨は激しく、風のようで
飛ぶ花の遠くが
季節を反らし、月日を差し出す
夏を剥がしながら夜に重なる時間の尾を、
鼻先をすべり続ける輪のように
舵を取らぬ行方のために
弦を弾いた雲の落ちる様を、
持たぬペンの転がるように
持ち続ける鞄のために
四角の中を思うのでしょう
犬は知る
そして一回り大きな箱を描く足で
ページの右上のように
三角に折れた詩を思う
いくつかに分かれた一日の残余を語る
土塊を砕く車輪の揺れる瞬間
椅子から浮く視線が交じる過程
渡る旅の今日が描かれていく
それは橋なのですね
薄暗い夕空に溶け出すビルディング群が河
闇夜に鉄橋をくぐる生物達が河
場所でなくあなたが海を越える空を掲げる
一人のひと
頂上の切れ目をふっと落ちる魅力
少しだけの今を深く吸い込んで考える
無くならない身体を思う
さらさら滑る白をなぞる
(針穴を通った続き)
(少しわかる気がする)
揺れる先端に立ち片目閉じた時
読みかけの私を欠く、書きかけの私
目薬だけの涙で追いやられる気がする
夏になり
サボテンが再び膨らむのを
憂鬱に、肘を付いて見ている
貰った当初は好きすぎて、触れすぎて
棘をすべて駄目にしてしまった
鏡にはビニールを被せた「きみ」がいて
それに向かって私は髪を梳かす
空気が薄まって苦しい
傾斜も無い直線に背が痺れる
案内だけの曲がり角が季節の切っ先に来る
傷を付けられて音飛びしたい
正面の時計はワントーン薄い
私が目を閉じれば、「きみ」が目を開ける
そう感じさせるビニールが、視界を曇らす
(とてもあつい・・・)
部屋だけを作ったことのある記憶に
欠けた壁のタイルを削って減らす夢を塗す
夏以外の汗をかいて跳ね起きる
けれど起きられない
両手を重ね合わせてずれる
その跡に続く糸屑のがさつき
縫い付けられる身体の節々
埃を手懐けた足先がはみ出ている
小刻みに震えながら、今と昔を入れ替える
知ってる、緩やかすぎる輪郭で溶け出す
今では痛みも伴わずに触れられてしまうこと
知ってる
保存されるだけの今を吸う
私の声が私の周りにだけ響く
残しながら運ばれる
拾われながら流れて行く
もう関係ですらない終わり
手探りの再来の電話が
痛い
だぶつく幕が降り続けて客席まで伸びる
耳打ちされる証明
ここは私だけだよ
けして繋がっているわけじゃない
影でもない生きた
生きてる、その限りの身体の揺れを
踏み外す瞬間だけが今なのか
無くせれば、どちらかひとつを?
次第に激しくなるずれ
もう二人のものじゃない
続きが縫い合わせる
もう「きみ」じゃない
気持ちじゃなく
痛みしか感じない
(わからない、わからない・・・)
湖の重心
湖面を波立てる鳥の影となって
顔を上げていた
遠くに電線が走るらしい
その間にも湖の隙間は音を立てている
ここが海辺の街ならば
海辺の街は道路を拡張しつづけ
瓶に詰めた告白のように
海に近づいていく
決して染みない無色として
彼を写した
どこにも流れ着かない流れだから
岸に当たって返る
喉を潤した嘴に触れる
橋を知らない湖の過去
足を踏み外す
時間がずれる
ここには
今が無いのかな
タップダンスのような振動が響く
かさぶたに模した絆創膏
時間の止まった大きな楕円
そこから静かに
ノックの音で方角を知る
言葉の途中で目を覚ます
朝が焼け始めるころ
傘を刺して水嵩を感じる
並んで眺める景色に目を閉じ
三日後の時間を歌にして聞こえない
あなたは傘をとんと叩く
そこから揺れる
風のような
七月のような
私への水嵩
湖型の宝石を抜き手で去りたい
岸の家、丸い穴のおしまい
戸締りを脳裏に刻みながら
隣家の灯に乗った屋根がちらつく
訪問着の遠ざかり
打ち落とした鳥を思う
旅の終着を連れてきた渡り鳥
悴んだ肌を脱いだ夏の月日が見える
そんな気持ちだけの風が暑い
長い髪を持て余す
髪留めを買った土曜日
それに地続きと言われる話たち
袋に詰め込んで海に流れ着く先月のこと
蕾にならないよ、花
送らずに繰り返す鳥が、順番に落ちる
千切れた雲を黒く映す深紅の夕陽を願う
薄暗い草原は夕の風を隠す
花摘みの隙間に現れる隣人
空の箱にずしりとした布袋を入れる
すぐに染み渡る湖の水
茨を抱いて死んだ鳥たち
私は湖上を書いていた
海へ飛ぶべきだったのだ
川で一人で破滅したい
それからなら会って良かった筈だ
染み込んだ水が降ってくる
太陽のスープを飲むことも無ければ
海岸の砂を掬って、時間を刻むことも出来ない
湖雲であれば辿りつけただろう
落ちて身を絶えたひとよ
私は湖畔から出られない
日々を掻き集めて嵩を増す
そのために雨が降る
空想同い年・はなれ
朝を分けるため洗濯物が翻る
服はそれだけの為に剥がされた
こんな光でいいのかな
こうやって照らせばいい日常
はやく夜へ
10年経ったら会えそうな気がする
玩具を楽器に酔わせてぽつん
溜まりに吸い込まれる雨や雨
もうすぐ迎えが来るらしい
どうしてと問われる日があるのかな
まだ見ぬあなたは珈琲に溶かして飲んでしまうだろう
きっとその半分をわたしは欲しがる
味がしない味がしないと言い合いながら・・・
耳に消える
知らないひと。
頼りにする限り会ってはならない
想像のひと。
照らし方を許すだけ
夜の間は日の代わりをする
焦げた瞳であつうい安定を冷ます
次をさがすひと。
今日に戻るためあなたと話しをする
話をする限り明日へは帰れない
ああ止まる・とまるとまる






