夏の蝶
体もスカートも、指先も、チャックを閉めて持ち歩く。
募金をする音が、足元を鳴らしている。
鈴の中にいるように人混みをさまよった。
ぜろ距離は二重だと思いながら、膝を抱いている。
地面に花を描くのをやめたら、
小石を拾ってはポケットを膨らませるあなたがいた。
手を傾けると、腕をつたって降りてくる夜がある。
行けば無くなる部屋
恣意的なドアを開けては迷子になった。
誰もいないことは、誰もがいるということ。
爪先が重なれば、あなたは
あなた、あなた。
接点をずらされた感じが星に似る。
夜空が廻る、こぼれないように
そばにあるようにジジ…ジ…
自分が許せない。
変われない自分が見えてくるから
自分がどんどん間違いに見えてくる。
まあるい夜がコップからこぼれ落ちる。
言葉をすり抜ける蝶が雨宿りにくる。
でこぼこに膨らんだポケットを下げたまま、
掌が自由なあなた、
街のネオンをオフにして、
トンネルを見つけてやってくる。
指の挟まるドアへ蝶がゆく。
両側から閉まる壁の合わさりに指を滑らして
出てゆく、そしてきっと話ができる。




